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今人気の平屋。平屋の持つ魅力とメリット・デメリットとは?

今人気の平屋。平屋の持つ魅力とメリット・デメリットとは?

現代の戸建住宅は2階建ての家が大半ですが、その一方で「平屋の家」を求める方が増えているようです。

核家族化が進み部屋の数をそれほど求められなくなってきた昨今、「一つの居住空間を充実させたい」と思っている方には、平屋の家がピッタリでしょう。

今回は平屋の家に住むメリットやデメリットを中心に、平屋の特徴を紹介します。

平屋とはどんな家?

平屋とは、リビングやキッチン、寝室、バスルームなど必要な空間を1フロアに詰め込んだ「1階建ての家」のことをいいます。

2階や3階がない分、建築コストを抑えられますし、構造的に安定しているのも平屋の特徴です。

平屋の家は重量が軽いものの重心は安定しており、大きな地震に襲われても揺れが小さくなるという特徴があります。

また、壁面積が小さいことから台風による被害を受けにくいのも、平屋の特徴。総じて災害に強い家をつくりやすいといえます。

さらに、平屋は2階がないため設計の自由度も高く、天井を高くとれるなど開放的な空間をつくるうえでも有利な建物です。

平屋のメリット

平屋の家だと、スペースの確保が難しくなると思っている方は多いかもしれません。

しかし、設計次第では空間を有効活用できて、2階建てより暮らしやすい家になることもあります。

平屋の家に住むことで享受される具体的なメリットについてまとめます。

平屋のメリット:家事が楽になる

どの部屋に行くにも階段がなくスムーズに移動できるので、家事の負担軽減にもつながります。

たとえば洗濯。2階建ての家だと、1階で洗濯をして2階のベランダに干しに行くといった作業も、平屋の家なら横移動だけで済みます。

また掃除も、掃除機を持って階段を昇降したり、階段部分を雑巾がけしたりといったことも、平屋の家では皆無です。

平屋のメリット:階段部分のスペースを有効活用

2階建て以上の家には必ずある階段スペースが平屋の家にはありません。

その空間を有効活用できるのも、平屋のポイントです。

一般的に、階段やホールの部分に必要なスペースは4~5畳ほどとされます。

この空間を使って、収納スペースにするもよし、書斎や趣味のスペースに使うのも良いでしょう。

設計次第では、2階建ての家よりも使い勝手がよく広々とした空間をつくることも可能です。

平屋のメリット:コミュニケーションが取りやすい

1フロアに生活スペースが収まることから、自然と家族の会話が増え、コミュニケーションが活発になるのも平屋の特徴です。

リビングを核とした間取りにすれば、子どもが家に帰ってきたらリビングで会話をし、出かける際もゆっくり見届けられます。

アイランドキッチンなど対面式キッチンを設ければ、いっそうコミュニケーションの絶えない家庭を築けることでしょう。

平屋のメリット:家全体を見渡せるので子どもがいても安心

コミュニケーションが取りやすいのは、平屋が家全体の空間を見渡しやすいこともあります。

1フロアにすべての居室がつながっているため家族の気配を感じやすくなりますし、小さな子どもや高齢者がいても、目が行き届くので安心でしょう。また階段がないので転落してケガをするといった心配もありません。

さらに、2階建ての家だと独立後の子ども部屋の活用に困りますが、間取りの自由度が高い平屋の家なら有効活用しやすくなります。

平屋のメリット:高低差もなくバリアフリー面も安心

若いときは階段の上り下りが平気でも、高齢になると辛くなってくるものです。

このため、老後の生活を見越して生活のしやすい平屋を求める方も多くなっています。

車いすが必要な生活になっても、平屋の家ならどの部屋にもスムーズに移動ができますし、少しの段差でつまずいてケガをするといったトラブルも防げます。

また、階段部に手すりを設置するといったバリアフリーのリフォームも、平屋なら最小限で抑えられるため、改築コストも安く済むでしょう。

平屋のメリット:開口部を広く設けられ風通しの良い家に

2階建ての家だと、1階と2階の空気を循環させるのに工夫が必要です。

平屋の家なら障壁の少ない間取りにすることで、風通しや日当りの良い空間をつくりやすくなります。

また、平屋は2階がないため天井を高くして大きな窓を設けることも可能です。

開口部を広くとることで、より風通しの良い環境がつくれるでしょう。

大きな窓のある部屋は外と一体となった開放的な空間をつくりやすくなり、暮らしにゆとりを与えてくれるのも平屋のメリットです。

平屋のメリット:2階建てより構造的に安定しやすい

物の重心は全体の高さがあるほど上にいきます。

台風などの強い風や地震による揺れが発生したとき、重心が上にあるほどその影響を受けやすくなるということは、イメージいただけるのではないでしょうか。

もちろん揺れ自体も上の階にいくほど大きくなりますが、平屋なら重心が地面に近く揺れにくい安定した構造になりやすいというメリットがあります。

また、平屋は2階と1階のつなぎ目という弱点になりやすい部分がそもそもなく、柱位置を合わせるなどの工夫も必要ありません。

シンプルな構造で重量も軽いので、特別な耐震や免震などの構造を入れなくても揺れに強い建物になります。

平屋のメリット:メンテナンスしやすく費用も安く済む

平屋はメンテナンス工事を行う際に足場を組む必要がなく、その分、メンテナンス費用が安く済むというメリットもあります。

建物の寿命を延ばすためには適切なメンテナンスが欠かせません。

なかでも重要な点が、屋根や外壁の塗装です。

これらの外装材から防水機能が失われたまま放置していると、構造内に水が浸入して躯体が傷み、建物の寿命が短くなるためです。

塗料の耐久性にもよりますが、一般的に10年に1回は塗装をしなければ防水性能が維持できなくなるといわれています。

2階建て以上の建物では外壁や屋根の塗装工事に足場工事を伴います。それがかからないため、メンテナンス費用が安くなるのです。

平屋の注意点

メリットをみて「平屋の家で暮らしたい」と思われた方もいらっしゃるのではないでしょうか?

もし検討をされるなら、平屋にもデメリットとなる注意点がありますので、しっかり把握し対策を練ることも大切です。

平屋の注意点:プライベートな空間を確保しづらい

見渡しがよくてコミュニケーションの取りやすい空間は、プライバシーが守りにくい空間ともいえます。

子ども部屋や夫婦の寝室を設けても、部屋に出入りする姿は見られますし、広い窓を設けることで外から丸見えになるという懸念もあります。

プライバシーを守るため、間取りが複雑な設計にすると日当りや風通しに影響が出てくるでしょう。

平屋では、ロフトを設けたり簡易的なパーテーションで仕切ったりしながら、プライベートな空間を確保する工夫が必要です。

平屋の注意点:部屋を増やすには敷地が必要

平屋の家を建てるには、ある程度の広さのある土地が必要です。

家を建てた後に家族が増えるなど増築の必要がある場合、土地に余裕がなければ平屋だと難しくなるかもしれません。

土地の安い地域であれば新たな土地を購入することも検討できますが、都市部のように地価が高く隣家との空間も狭いところでは難しいという点で注意が必要です。

平屋の注意点:陽当りの確保が難しい

平屋は建物自体に高さがないため、敷地や周辺環境の影響を受けやすい構造です。

周囲に高い建物があるとその陰に入ってしまい、日当たりが確保できません。

また、間取りによっては近隣の2階建て以上の家から家の中が丸見えになってしまいます。

住宅同士の距離が密集した住宅街や、敷地に余裕がない都市部で平屋を建てるとこういった問題が起きやすいので、注意が必要です。

そういった条件の土地で平屋を建てたい方は、窓の向きや周囲の建物からの視線の高さなど、周辺との兼ね合いを考えて間取りを検討しましょう。

周囲に売れていない土地がある場合は、そこが将来どうなるかという点も考慮しておくと安心です。

平屋の注意点:プライベートの空間の確保が難しくなることも

平屋は階段のないコンパクトな構造の中にすべての機能が収まっているので、家族同士の距離も自然と近くなります。

しかし、同時に階を区切ってそれぞれのプライベート空間を確保することが難しくなる面もあるので、注意が必要です。

「心地良い」と感じられる家族同士の距離感は、人によって大きく異なります。

「平屋に住みたいけれど一定のプライバシーも確保したい」という場合、間取りの際に廊下を設けたり個室の位置を変えたりといった工夫で対応が可能です。

プランを検討する際は家族としっかり相談したうえで、ライフスタイルに合ったものにしていきましょう。

まとめ

平屋の家といえば、「土地が広くて安い田舎に建つ家」というイメージが、一昔前まではあったと思います。

しかし、核家族化が進んだ現代、老後も安心して暮らせると考える若い方も増えており、都市部でも注目を集めています。

都市部に建てる場合は、ある程度の広さと周辺環境も検討する必要がありますが、条件に見合う土地にめぐり会えたら、ゆとりある暮らしを実現しやすい平屋の家を叶えてみませんか?

コラム監修者情報

木場昌也

二級建築士/ 1級施工管理技士
【現場管理】注文住宅・店舗 110棟
【販売】注文住宅 79棟

入社歴23年。8年現場監督経験を経て営業職に。
震災後は県内の品質管理、着工数の平準化を図るため工事管理職に従事。また注文住宅の安定供給、品質賞の受賞に携わる。
その後、ZEH普及、高気密・高断熱商品の開発、販売、店長職を兼任。

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