一戸建てにおすすめの防犯対策まとめ|場所ごとのセキュリティ対策を紹介
この記事では、一戸建てにおすすめの防犯対策を紹介します。
一戸建ての家で気になる点として、防犯面を挙げる人は多くいるでしょう。マンションなどに比べて、一戸建てはセキュリティ面に注意が必要です。
この記事では、一戸建ての防犯対策を場所ごとに紹介します。対策の注意点も併せてお伝えするので、一戸建て住宅の購入を検討している人はぜひこの記事を参考にしてください。
【この記事でわかること】
● 一戸建てがマンションより侵入窃盗の被害に遭いやすい理由
● 一戸建ての場所ごとの防犯対策
● 一戸建てにおける防犯対策の注意点
一戸建てはマンションより侵入窃盗の被害に遭いやすいのか
一般的に、一戸建てはマンションなどの共同住宅より空き巣被害に遭いやすいとされています。
警視庁の『住まいる防犯110番』によると、2022年の侵入窃盗の発生場所別認知件数は下記の表のようになりました。
侵入窃盗発生場所 | 割合 | 認知件数 |
一戸建て | 33.0% | 12,064件 |
共同住宅 | 12.1% | 4,427件 |
総数 | ー | 36,588件 |
※参考:住まいる防犯110番丨警察庁
上記の表から、一戸建てでは共同住宅に比べて3倍近い侵入窃盗が起きているとわかります。
低層階の住宅は空き巣にとって侵入しやすく、一戸建てはセキュリティ面で弱いことが理由に挙げられます。また、新築でも被害に遭いやすいので、万全の防犯対策が必要です。
完成したばかりの家は、防犯対策が不十分だとみなされたり裕福な家だと思われたりする可能性があるため、リスクが高いといえます。
一戸建てにおすすめの防犯対策1.出入り口
ここでは、一戸建ての出入り口で効果的な防犯対策を解説します。
- ディンプルキーを導入する
- サムターンカバー・ドアガードを設置する
- セキュリティステッカーを貼る
- 人感センサー・防犯カメラを設置する
上記4つの対策を1つずつ確認しましょう。
ディンプルキーを導入する
ディンプルキーは、出入り口のセキュリティを強化する重要な手段の1つです。
ピッキングに対して高い耐性があり、鍵の表面に複雑なくぼみがあるため、不正開錠をしにくくなるアイテムです。そのため、住宅内への不法侵入を防止するうえで効果的といえます。
サムターンカバー・ドアガードを設置する
サムターンカバーとドアガードは、ドアのサムターン部分やヒンジ部分を保護して不正な操作やこじ開けを防ぎます。
特に、サムターンカバーはドアの内側に取り付けることで、サムターンを外部から操作できないようにできます。ドアガードはドアの補強金具で、強力な力にも耐えることが可能です。
これらの装置を設置すれば、一戸建ての出入り口をより安全に保護できるでしょう。
セキュリティステッカーを貼る
一戸建ての出入り口にセキュリティステッカーを貼ると、犯罪抑止効果を期待できます。
セキュリティステッカーを外部から見える位置に貼れば、不審者に対して警告の意思表示が可能です。犯罪者はその家を標的とするリスクを感じて侵入をためらうでしょう。
また、セキュリティステッカーは防犯意識の向上にも役立ちます。近隣住民や訪問者に対して家のセキュリティ対策を実施していると示し、犯罪被害を未然に防止できます。
人感センサー・防犯カメラを設置する
人感センサーと防犯カメラの設置は若干費用がかかるものの、防犯対策として有効です。人感センサーは、外部からの不審な動きを検知して自動的にライトを点灯し、不審者を警戒させます。
また、防犯カメラは出入り口周辺の状況を常時監視しており、不審な行動や侵入を検知した場合には映像記録を残します。不審者が侵入しようとした際には、その行動を監視して有効な証拠となるでしょう。
さらに、防犯カメラにはリモートでモニタリングできるタイプがあり、外出先からでも自宅の安全をチェックできます。
人感センサーと防犯カメラを組み合わせて設置すれば、出入り口の防犯効果を高められます。
一戸建てにおすすめの防犯対策2.庭
ここでは、一戸建ての庭におすすめの防犯対策を解説します。
- 死角をなくして見通しを良くする
- 防犯砂利を敷く
- 足場になりうるものを撤去する
- 日頃から庭の手入れを怠らない
上記4点をそれぞれ見ていきましょう。
死角をなくして見通しを良くする
費用を最小限にしながら実施できる対策として、見通しを良くする方法が挙げられます。視界を遮る大きな木があれば、伐採して見通しを良くしましょう。
障害物などをなるべく除去すると、外部からも内部からも目が入りやすくなります。庭の防犯対策の第1歩として、見通しを良くして他の対策の効果を高めることがおすすめです。
防犯砂利を敷く
防犯砂利は泥棒の侵入を防ぐために効果的です。ジャリジャリという大きな音を出し、侵入者の存在を周囲に知らせます。
特に、側庭や裏庭などの人目に付きにくい場所に敷くことがおすすめです。
足場になりうるものを撤去する
庭にある草木やものを整理して、足場になりそうなものを撤去します。庭に上の階への侵入を可能にするものがあれば、侵入者はこれを利用して2階や3階から家に入る可能性が発生します。
庭を整理して庭から上の階に入れない状態を作れば、家への侵入リスクを抑えられるでしょう。
日頃から庭の手入れを怠らない
定期的な雑草抜きや庭木を剪定して、庭をきれいに保ちましょう。定期的な手入れがされている庭は、居住者の意識が隅々まで行き届いている印象を与えます。
家全体の防犯意識が高まり、侵入者は入りにくくなるでしょう。
一戸建てにおすすめの防犯対策3.窓
一戸建ての窓に効果的な防犯対策は、以下4点です。
- 合わせ窓・二重窓を検討する
- 防犯ガラス・フィルムを導入する
- 雨戸・シャッターを導入する
- クレセント錠・補助錠を導入する
1つずつ解説します。
合わせ窓・二重窓を検討する
窓の防犯対策として、合わせ窓や二重窓の導入が効果的です。
警察庁の『住まいる防犯110番』によると、窓は最も狙われやすい侵入口とされています。一戸建て住宅において、侵入窃盗の侵入口は以下の表のようにまとめられます。
侵入口 | 割合 | 件数 |
窓 | 53.5% | 6,454件 |
表出入口 | 21.3% | 2,577件 |
非常口 | 0.1% | 7件 |
総数 | ー | 12,071件 |
※参考:住まいる防犯110番丨警察庁
合わせ窓や二重窓の場合、窓からの侵入に時間を要します。空き巣にとっては不利な条件となるため、家への侵入を諦めるでしょう。
防犯ガラス・フィルムを導入する
防犯ガラスやフィルムは、窓ガラスの耐久性を高めて侵入を困難にします。
特に、防犯性能の高い建物部品とみなされているCPマークが付いた商品がおすすめです。CPマークの付いた窓は2枚の板ガラスの間に中間膜が挟まれており、ガラスは割れても中間膜は割れにくい仕組みになっています。
73%の泥棒は窓ガラスを5分で突き破れなければ侵入を諦めるといわれており、CPマークが付いた商品の採用は侵入防止に効果的でしょう。
※参考:防犯合わせガラス(CPマーク)丨一般社団法人 板硝子協会
雨戸・シャッターを導入する
外出時に雨戸やシャッターを閉めておくと、窓が直接外部に晒されないため、不法侵入を防止できます。夜中の在宅時なども、雨戸やシャッターを閉めておけば安心でしょう。
開け閉めの手間がかかりますが、効果的な防犯対策の1つといえます。
クレセント錠・補助錠を導入する
クレセント錠や補助錠は、窓のロックを強化して解錠を難しくします。防犯に特化した設備であり、防犯以外での使い道はありませんが、効果的な対策といえます。
ホームセンターなどでも購入できるため、家が完成してから防犯対策を見直す場合でも簡単に付け替えが可能です。
一戸建てにおすすめの防犯対策4.室内
一戸建ての室内で有効な防犯対策として、以下3点を解説します。
- 見つからない場所に貴重品を隠しておく
- 護身用のアイテムを常備しておく
- ホームセキュリティに加入しておく
1つずつ確認しましょう。
見つからない場所に貴重品を隠しておく
一戸建て住宅で貴重品を隠す際には、侵入者に見つかりにくい場所を選びましょう。
ロック付きの固定された金庫に貴重品を保管しておくと、持ち運びが難しく中身を取り出せないため、貴重品を盗難から守れます。
一般的には、意外に思われる隠し場所も効果的です。洋服のポケットや辞書をくり抜いた中、食品やお菓子の箱の中など、犯人が予想していない隠し場所を利用すると、貴重品を保護できる可能性があります。
完全な防犯を保証するものではありませんが、犯人が見つけにくい隠し場所を選ぶことで貴重品の保管に繋がるでしょう。
護身用のアイテムを常備しておく
一戸建ての庭では、室内に侵入された場合に備えて自己防衛の手段として、護身用のアイテムを常備しておくことが重要です。アイテムを選ぶ際には、銃刀法に違反しないものを選びましょう。
また、侵入者が使用できないように見つけにくい場所に置いておくことが大切です。目立つ場所に置いてしまうと、相手に使われるおそれがあります。
ホームセキュリティに加入しておく
費用はかかってしまいますが、ホームセキュリティへの加入も効果的です。室内への侵入を検知した際、自動でセキュリティ会社や警察に通報してくれます。
また、火災検知や緊急車両の手配など、侵入以外のトラブルが発生した場合にもサポートしてくれるケースがあります。緊急時の対処を不安に感じる人やリスクを避けてプロに任せたい人には、ホームセキュリティがおすすめです。
一戸建ての防犯対策を実施する際の注意点
ここでは、一戸建ての防犯対策を実施する際の注意点を解説します。
- 郵便受けの中身を放置しない
- 合鍵を屋外に置かない
- 短時間の外出においても戸締まりを徹底する
上記3点を順番に確認しましょう。
郵便受けの中身を放置しない
多くの空き巣は郵便受けの中身をチェックし、郵便物が溜まっている場合は「長期留守だ」と判断します。居住者が長期間家を離れていると判断されてしまうと、侵入されるリスクが高まり危険です。長期不在時は、郵便物の片付けや新聞の停止などの対策をしましょう。
また、個人情報が書かれた郵便物を放置すると、情報漏洩のリスクがあります。ポストは外部から見えやすい場所にあるケースが多いため、こまめにチェックすることが大切です。
合鍵を屋外に置かない
合鍵を屋外に置くと、侵入者が家の中に入るおそれが大きくなります。
玄関マットの下や郵便受けの中、植木鉢の下に合鍵を隠す人がいますが、空き巣に鍵を発見され侵入の標的にされる可能性が高いといえます。
合鍵を家の外に置いておきたい場合は、キーボックスを利用しましょう。暗証番号を使用して開けるアイテムが多く、郵便受けなどより安心して使用できます。
短時間の外出においても戸締まりを徹底する
短時間の外出でも、戸締りは怠らずに行いましょう。
先ほど、侵入口として窓が最も利用されると述べましたが、一戸建て住宅において1番多い侵入手口は無締まりです。2022年には6,187件の侵入窃盗が一戸建ての無締りによって発生しており、その割合は半数を超えています。
少しの外出でも油断せず、しっかりと戸締まりを確認してください。
また、外出時には玄関や窓だけでなく、トイレや浴室の窓なども忘れずに施錠しましょう。戸締りを確実に行うことで、防犯対策の強化に繋がります。
※参考:住まいる防犯110番丨警察庁
一戸建ての防犯対策は事前の準備が重要
この記事では、一戸建ての防犯対策を場所ごとに解説しました。
一戸建てはマンションなどに比べて窃盗被害を受けやすく、防犯対策をしっかりと実施する必要があります。整理整頓や貴重品の保管場所の工夫など、費用をかけずに実施できる対策も多くあります。また、さらに高い防犯効果を得たい場合には、防犯カメラやホームセキュリティなどがおすすめです。
この記事で紹介した防犯対策の中から実施できるものとできないものを分類し、マイホームに効果的な防犯対策を選択しましょう。
また、一戸建ての防犯対策は工務店に相談すると安心です。宮城県を中心に注文住宅を提供しているアイムの家では、マイホーム完成後の暮らしに関する相談も受け付けています。
家の防犯対策をはじめ、不安なことは何でも相談できるので、まずはお気軽にご相談ください。
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コラム監修者情報
木場昌也
二級建築士/ 1級施工管理技士
【現場管理】注文住宅・店舗 110棟
【販売】注文住宅 79棟
入社歴23年。8年現場監督経験を経て営業職に。
震災後は県内の品質管理、着工数の平準化を図るため工事管理職に従事。また注文住宅の安定供給、品質賞の受賞に携わる。
その後、ZEH普及、高気密・高断熱商品の開発、販売、店長職を兼任。