【場所別】注文住宅におすすめのコンセント位置は?よくある失敗例も解説
本記事では、リビングやキッチン、寝室などの場所ごとに、おすすめのコンセント位置を解説します。
注文住宅の設計は、自分たちのライフスタイルに合わせた理想の住まいを実現するための大切なステップです。その中で見落としがちではあるものの、非常に重要なのがコンセント位置です。
コンセント位置は、家電製品の配置や部屋の使い勝手に大きな影響を及ぼすでしょう。コンセントが足りなかったり、使いにくい場所にしか設置しなかったりすると、生活を不便にさせるだけではなく、修正するには大きなコストがかかるおそれもあります。
ここでは、コンセントの設置における失敗例も挙げながら解説するので、理想の住まいを実現するための参考にしてください。
【この記事でわかること】
● 注文住宅で利用できるコンセントの種類
● 注文住宅におすすめのコンセント位置
● 失敗した事例と位置の決め方
そもそも注文住宅で使えるコンセントの種類は?
注文住宅で利用できるコンセントはいくつかの種類に分類できます。コンセントの名称や特徴は以下の表の通りです。
コンセントの名称 | コンセントの特徴 |
単相100V | ・一般的な家庭用コンセント差込口が縦に2つ並んでいるタイプ |
単相200V | ・エアコンやIHなど大きな電力を使用する設備に必要
・差込口が横に2つ並んでいるタイプ |
USBコンセント | ・スマホなどUSBの充電ができるコンセント |
テレビコンセント | ・テレビ用のアンテナ端子がついているコンセント |
屋外用コンセント | ・屋外照明や防犯カメラを設置する場合に使えるコンセント
・防水カバーがついていることが一般的 |
アース付きコンセント | ・感電や漏電を防ぐ目的で洗濯機や電子レンジなど、アース線がついている家電に対応している |
床下コンセント | ・リビングなどの床に設置されており、必要なときにコンセントを出せる |
例えば、テレビを置きたい部屋にはテレビ用のコンセントがなければ、テレビを設置しても利用できません。
どの場所にどの家電を置きたいかを事前に計画して、使用するコンセントの種類を決める必要があります。
【場所別】注文住宅におすすめのコンセント位置
コンセント位置や数によって居住生活の快適度は大きく異なるでしょう。
ここからは以下の場所において、注文住宅におすすめなコンセント位置を解説します。
- リビング
- キッチン
- ダイニング
- 洗面所
- トイレ
- 階段・廊下
- 屋外や玄関
- 寝室(居室)
- 駐車場
- その他の設置場所
順番に見ていきましょう。
リビング
リビングでおすすめのコンセント位置は、主に以下の通りです。
- テレビ周り
- ソファ周辺
テレビ周りは、レコーダーやWi-Fi機器など電気機器が多いため、コンセントは多めに設置しておくとよいでしょう。
また、ソファ周辺はスマートフォンや携帯用ゲーム機を使うケースも多いため、コンセントがあると充電などに利用できます。
キッチン
キッチンでおすすめのコンセント位置は、主に以下の通りです。
- キッチンシンクの上
- コンロの下部
キッチンでは、フードプロセッサーを使うケースやタブレットで料理動画を見ながら料理する場合があるでしょう。キッチンシンクの上にコンセントがあると、これらの家電を使う際に便利です。
また、IHクッキングヒーターなどの設置には単相200Vのコンセントが必要になります。あらかじめコンロ付近に単相200Vのコンセントを設置することがおすすめです。
ダイニング
ダイニングでおすすめのコンセント位置は、ダイニングテーブルの下です。
ダイニングテーブル付近は、ホットプレートや扇風機などの家電を一時的に使うケースが多いため、床下コンセントなどを設置しておくと便利です。
洗面所
洗面所でおすすめのコンセント位置は、主に以下の通りです。
- 洗面所の下部
- コンセントつきの洗面台
洗面所にはエアコンがないため、気温のストレスを感じやすい場所です。洗面所の下部にコンセントを設置しておくと、扇風機やヒーターなどの家電が使用できます。
また、洗面台ではドライヤーやシェーバーなどを使用するため、洗面台にコンセントがついていると便利です。
トイレ
洗面所でおすすめのコンセント位置は、温水洗浄便座が設置しやすい場所です。
温水洗浄便座の設置が必要になるため、最低でもひとつはコンセントを設置しておく必要があります。
また、トイレは冬場に寒くなりがちな場所です。冬場にヒーターを置くことも考えると、2つ以上のコンセントがあると便利です。
階段・廊下
階段・廊下でおすすめのコンセント位置は、主に以下の通りです。
- 廊下の下部
- 階段の踊り場付近
階段や廊下には、掃除機に使うためのコンセントがあると便利です。
また、夜間に足元を照らす自動点灯型のコンセントがあると、夜中に照明スイッチを探す手間が省けます。
屋外や玄関
屋外や玄関でおすすめのコンセント位置は、主に以下の通りです。
- 防犯カメラなどが設置できる場所
- 夜間照明用
セキュリティ面の充実が重要視されている昨今において、防犯カメラ用のコンセントがあると安心感が増すでしょう。
また、夜間照明を追加したいときに使用できるコンセントがあると便利です。
寝室(居室)
寝室(居室)でおすすめのコンセント位置は、主に以下の通りです。
- ベッド周り
- ベッドの上
寝室には、スマートフォン用のUSBコンセントがあると、就寝時に充電ができるため便利です。
また、冬場には電気毛布や布団乾燥機を使うケースも多いため、コンセントの数に余裕を持たせておくとよいでしょう。
駐車場
駐車場でおすすめのコンセント位置は、主に以下の通りです。
- 車を停める付近
- 車を停める後部
駐車場では、車内を掃除するときに使えるコンセントがあると、掃除が簡単になるでしょう。
また、将来的に電気自動車を購入する可能性がある人は、電気自動車を充電できるコンセントを準備しておくとよいでしょう。
その他の設置場所
庭に面した壁にコンセントを設置しておくのもよいでしょう。
日曜大工の道具を使う場合やバーベキューなどを楽しむとき、壁にコンセントがあると室内から電源を取る手間が省けます。
注文住宅のコンセント位置でよくある失敗例
注文住宅ではコンセント位置を自由に決められる分、失敗してしまう例も見受けられます。
ここからは、注文住宅のコンセント位置でよくある失敗例を3つ見ていきます。
- コンセントの数が少なすぎた・多すぎた
- コンセント位置に対して高さが合わなかった
- コンセントが生活の妨げになってしまった
これらの項目についてそれぞれ詳しく解説します。
コンセントの数が少なすぎた・多すぎた
コンセントの数が足りなかった事例と多すぎた事例はどちらもよく耳にします。
コンセントの数が足りなくなってしまうのは、住み続けるほど家電や器具の数が増えていくためです。コンセントが足りなくなると、タコ足配線になっていてしまったり、延長コードに引っかかってしまったりして危険です。
また、コンセントの数が多すぎると余計な家電を置きっぱなしにしてしまって、待機電力などで電気代が高くなってしまうケースもよくある失敗事例といえます。
コンセント位置に対して高さが合わなかった
コンセントを使用する高さのことを考えずに失敗してしまうケースもよくあります。具体的には以下の通りです。
- エアコンのコードが届かないくらいの低い場所にコンセントを設置してしまった
- 書斎で電気スタンド用に設置したが、位置が高すぎてコードが丸見えになった
コンセントの高さも、コンセントの利便性を左右するポイントといえるでしょう。
コンセントが生活の妨げになってしまった
コンセントは生活において非常に重要な設備ですが、設置される場所によってはデザインを邪魔する場合があります。
生活感のあるコンセントが見えるために、おしゃれな空間が台無しになってしまうことがあります。コンセントの設置場所によっては、生活の妨げと感じてしまうのも失敗事例の1つです。
注文住宅におけるコンセント位置の決め方
注文住宅におすすめのコンセント位置や失敗事例などから、注文住宅におけるコンセント位置の決め方を4点解説します。
- 実際の生活をイメージする
- 水がかからないように配慮する
- 建築業者や設計士に相談する
- 電気容量の大きい家電には専用のコンセントを導入する
それぞれの決め方を詳しく解説します。
実際の生活をイメージする
コンセント位置を決める際は、実際の生活をイメージして検討することが必要です。
どこでどの家電を使用するのか、使うタイミングなどをイメージするとよいでしょう。特定の季節やイベント時に使用するケースなど、さまざまなケースを考慮して必要なコンセントの数や位置を考えることで、過不足なくコンセントが設置できます。
水がかからないように配慮する
特にキッチン周りや屋外、洗面所などのコンセントは、なるべく水がかからない場所に設置しましょう。
水がかかる場所にコンセントを設置してしまうと、漏電や感電の原因となってしまいます。漏電や感電はコンセントだけではなく、コンセントに繋いでいる家電にもダメージを与えてしまいます。
水がかかりそうな場所に設置しなければならない場合は、防水カバーなどをつけるとよいでしょう。
建築業者や設計士に相談する
コンセント位置で困った際は、建築や設計のプロである建築業者や設計士に相談しましょう。
建築業者や設計士は、これまで数多くの住宅を手掛けてきた住まいのプロです。豊富な経験を活かした適切なアドバイスが期待できます。
コンセント位置や数に悩んだときは、プロの目を頼るのも1つの方法です。
電気容量の大きい家電には専用のコンセントを導入する
電気容量の大きい家電を設置する予定の場所には、専用のコンセントを導入しましょう。
リビングに設置するエアコンやキッチンのIHヒーターなどは電気容量が非常に大きく、単相100Vのコンセントでは対応できない場合があります。
あらかじめ、電気容量の大きい家電の設置場所を決めておき、単相200Vなど専用のコンセントを設置しておく必要があります。
注文住宅のコンセント位置に関するよくある質問
ここからは、注文住宅のコンセント位置に関するよくある質問を紹介します。
- コンセントの費用はどれくらいかかる?
- コンセント位置が悪いときの対策は?
- コンセント位置はいつ決める?
順番に見ていきましょう。
コンセントの費用はどれくらいかかる?
注文住宅を建築する前にコンセントを設置すれば、1つにつき3,000円程度で設置可能です。
建築後にコンセントを設置すると、配線の引き込み工事などが余分にかかってしまうため、1つの設置につき10,000円前後の費用がかかります。
また、コンセントを追加したくてもつけられないケースもあるため、建築前に設置するのがおすすめです。
コンセント位置が悪いときの対策は?
すでに設置したコンセント位置が悪い場合は、使う器具の位置を調整する方法と、延長コードなどを用いて何とか使える状態に持っていく方法が考えられます。
どちらにしても不便であるため、利便性が損なわれてしまうでしょう。建築後は対策が非常に取りづらくなるため、早めに決めておくとよいでしょう。
コンセント位置はいつ決める?
コンセント位置を決めるのは、注文住宅の間取りを決めたあとがおすすめです。
間取りを決めると、家具や家電の位置も決めやすくなります。設置する家具や家電の位置をイメージしながらコンセント位置を決めると、大きな間違いを起こしにくいでしょう。
注文住宅のコンセント位置で後悔しないためには
コンセントの数や位置は、ライフプランによって大きく異なります。設計の段階で、家具や家電を置く位置などをイメージしてコンセント位置や数を決定しましょう。
また、コンセントの種類も用途によって異なります。必要だと思う場所や多く設置する場所を決めていく際は、設計士などのアドバイスを聞いておきましょう。プロのアドバイスがあることで、建築後の快適性に大きな違いが生まれます。
後悔しないためには、しっかりと検討したうえでコンセントの位置や数を決めましょう。
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コラム監修者情報
木場昌也
二級建築士/ 1級施工管理技士
【現場管理】注文住宅・店舗 110棟
【販売】注文住宅 79棟
入社歴23年。8年現場監督経験を経て営業職に。
震災後は県内の品質管理、着工数の平準化を図るため工事管理職に従事。また注文住宅の安定供給、品質賞の受賞に携わる。
その後、ZEH普及、高気密・高断熱商品の開発、販売、店長職を兼任。