新築住宅の外壁選びのポイントは?素材の種類や色も解説
新築住宅を建てる際に、間取りと同じくらい外壁にこだわりたい人は少なくありません。
住宅に関連する外壁は種類が非常に多く、どの外壁を選ぶのが正解か分からなくなるケースも多くあります。
この記事では、新築住宅の外壁を選ぶポイントや外壁の種類などを解説します。外壁の素材や色選びで失敗したくない人はぜひ最後までお読みください。
【この記事でわかること】
● 新築住宅の外壁を選ぶポイント ● 新築住宅の外壁の種類 ● 新築住宅の外壁の色を選ぶポイント |
新築住宅の外壁選びのポイント
新築住宅の外壁は自由に選べますが、「費用」と「デザイン性」、「機能性」のバランスが良い外壁から選ぶことをおすすめします。
この章では以下3つのポイントについて、どのような点を注意すべきかを解説します。
- 費用
- デザイン性
- 機能性
順番に見ていきましょう。
費用
費用は外壁を検討する上で非常に重要ですが、外壁の価格には理由があることを知っておきましょう。
たとえば、安い外壁は初期投資が安くなる分、メンテナンス費用が高くなるおそれがあります。一方で、高い外壁は初期投資が高くなるものの、メンテナンス頻度が非常に少なくなることもあります。
目先の費用だけではなく、住み続ける間のトータルコストで検討することが重要です。
デザイン性
外壁のデザインは色や質感だけではなく、実際に建築した場合の日当たりや植栽などのバランスを考慮することがポイントです。
そのためにも、カラーシミュレーションや検討している色の家を実際に確認して、より具体的にイメージしましょう。
機能性
外壁には優れた機能を持つものも多く、水を含むことで汚れの付着を落とす外壁や光触媒によるセルフクリーニング機能などがあります。
こういった外壁は普段掃除できない部分においてもきれいな状態を保てるため、同じ築年数の家と比べても新しい印象を与えられます。
新築住宅の外壁に使われる素材の種類6選
この章では、新築住宅の外壁によく使われる素材について解説します。
外壁の種類が多くて悩んでしまう人は、この章で解説する外壁から選ぶことをおすすめします。
まず、外壁に使われる主な素材の概要を表で見ていきましょう。
費用 | デザイン性 | 機能性 | |
窯業系サイディング | 安い | 統一されたデザインが多い傾向にある | ・メンテナンスの工数がかかりにくい
・耐水性が低い |
金属系サイディング | 安い | おしゃれな鉄系デザインが多い傾向にある | ・メンテナンス工数がかかりにくい
・耐水性が高い ・耐震性が高い ・錆びることがある |
タイル | 高い | 高級感のあるデザインが多い傾向にある | ・メンテナンス工数がかかりにくい
・耐水性が高い ・耐火性が高い |
モルタル | 安い | バリエーションが多い傾向にある | ・ひび割れすることがある
・粉が浮くことがある |
ALC | 高い | バリエーションが少ない傾向にある | ・遮音性が高い
・耐火性が高い ・耐震性が高い ・耐水性が高い |
塗り壁 | 高い | オリジナリティのある外壁にできる可能性が高い | ・ひび割れすることがある
・汚れがつきやすい |
- 窯業系サイディング
- 金属系サイディング
- タイル
- モルタル
- ALC
- 塗り壁
順番に解説します。
窯業系サイディング
サイディングとは「板状」という意味があり、窯業系はセメントと繊維質を混合し成形した外壁です。
戸建て住宅で最も使用されている素材であり、一般社団法人日本窯業外装材協会の公開しているデータによると、窯業系サイディングのシェアは76.8%です。
流通量が多いことから費用が安くメンテナンス性にも優れています。ただし、大量生産させるためデザイン性はあまり優れてはいないというデメリットもあります。
そのため、外壁のデザインにこだわりがない人にはおすすめの外壁だといえるでしょう。
金属系サイディング
金属系のサイディングは金属の板と断熱素材を組み合わせた外壁で、断熱性能が高い上に軽い特徴があります。
そのため、防水性と耐震性が高く費用面も安い点がメリットです。ただし、金属のため定期的に錆びていないかをチェックする必要があるでしょう。
タイル
タイルは、土や石を焼き固めて焼成するタイルは高級感がある外壁となるため、外壁にこだわりたい人におすすめです。
また、初期費用が高くなるもののメンテナンス性、耐火性、耐水性に優れている点も特徴です。そのため、長期間メンテナンスせずにキレイな外観を保てる外壁といえるでしょう。
モルタル
モルタルとはいわゆる「セメント」のことで、灰色以外にもさまざまな配色の外壁にできます。
近年ではあまり使用されないため、モルタルの外壁を見る機会は少なくなりました。
モルタルはひび割れや粉が浮くなどのトラブルが起きることもあり、さらには対応可能な業者が少ないというデメリットもあります。そのため、使用する際には注意が必要です。
ALC
ALCとは、軽量気泡コンクリートのことで、非常に軽いため耐震性が高く、それ以外にも耐火性や耐水性についても非常に優れている外壁です。
そのため、メンテナンス頻度が非常に低く、コーキング部分を10年に1度メンテナンスする程度で十分なケースも多いといえます。
このように、ALCは機能性が非常に高いという特徴がある一方、費用は外壁の中でも高額になりバリエーションも多くありません。ALCは、機能性に特化した外壁といえるでしょう。
塗り壁
塗り壁は職人が壁に塗料を塗って仕上げる外壁で、前述したモルタルの一部も塗り壁です。
職人が1棟ごとに塗るため人件費がかかり、その結果高額となる傾向にあります。また、職人によって仕上がりに差が生じるケースがあり、メンテナンス頻度も大きく変わります。
新築住宅の外壁の色を選ぶポイント
この章では、外壁の色を選ぶ際のポイントを解説します。
- 汚れが目立ちにくい色にする
- 周囲と比べて目立ちすぎない色にする
- 実物の質感を確認する
順番に見ていきましょう。
汚れが目立ちにくい色にする
外壁の色を選ぶ際は、なるべく汚れが目立たない色を選ぶことが重要です。
たとえば、真っ白な外壁を選択した場合、汚れが目立ちやすくキレイな状態を保つにはメンテナンス頻度が高くなってしまいます。
周囲と比べて目立ちすぎない色にする
外壁の色にこだわりを持つことは重要ですが、周辺の家から浮いてしまう色の外壁は街の調和を崩しかねません。
そのため、建築する周辺の家をチェックし、どのような色であれば街と調和が取れるのか検討する必要があります。
実物の質感を確認する
外壁選びはカラーシミュレーションだけでもある程度イメージ通りの外壁となりますが、実際の質感をチェックすることでより具体的な家づくりができます。
特に、機能性が高い外壁は独特の質感であることが多く、好みが分かれます。外壁を設置して後悔しないためにも、必ず実物を触って確かめることが重要です。
新築住宅の外壁選びに関するよくある質問
最後に、新築住宅の外壁選びに関するよくある質問を紹介します。
- 外壁塗装で色あせしない色は?
- 外壁におけるツートンカラーのおすすめは?
- 外壁における色の人気ランキングは?
順番に見ていきましょう。
外壁塗装で色あせしない色は?
外壁塗装は紫外線に影響するので、紫外線に比較的強い白や黒、青色を選びましょう。逆に、黒や赤などの色は色あせしやすいといえるので、定期的なメンテナンスが必須となります。
外壁におけるツートンカラーのおすすめは?
外壁で人気のツートンカラーは、主に以下のような組み合わせです。
- ベージュ系×グレー系
- イエロー系×ブラウン系
- ホワイト系×ピンク系
- ブルー系×ホワイト系
- ピンク系×レッド系
外壁面積に対する各色の割合や配置によって印象は大きく変わります。
外壁における色の人気ランキングは?
「はじめての外壁塗装運営事務局」が2019年に行った調査によると、外壁塗装の人気色ランキングトップ5は以下の通りです。外壁の色を選ぶ際の参考にしましょう。
順位 | 色 | 割合 |
1位 | ベージュ | 33.59% |
2位 | ホワイト | 31.51% |
3位 | グレー | 27.6% |
4位 | ブラック | 11.2% |
5位 | ブラウン | 9.9% |
<1位:ベージュ>
ベージュは汚れが目立ちにくく他の色との相性が良いため、多くの人が採用しています。
<2位:ホワイト>
ホワイトは汚れが目立ちやすいデメリットがある一方、定期的にメンテナンスすることで非常に明るい外壁となります。また、素材によってはメンテナンスフリーの外壁もあります。
<3位:グレー>
暗い色の印象が強いグレーは、ベージュよりも汚れが目立ちにくくスタイリッシュなイメージの外観にできるでしょう。
<4位:ブラック>
グレーよりもさらに暗い印象のブラックは、オリジナル性の強い外観にできます。ただし、先述した色あせや汚れが非常に目立つため、メンテナンスをこまめに実施する必要があります。
<5位:ブラウン>
ブラウンは自然色に近いため、周りに木々がある環境や庭木とのバランスを取りたい人に人気です。また、暖かいイメージを印象づけられる特徴もあります。
新築住宅の外壁に使う素材はポイントを押さえて選ぼう
新築住宅では外壁の選定が大きなポイントとなり、種類が多いためポイントや特徴をしっかり抑える必要があります。
アイムの家では、外壁の特徴と選定の注意点を細かくサポートしています。外壁選びで失敗したくない人は、ぜひアイムの家にご相談ください。
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※金利や制度は2023年3月時点のものです
コラム監修者情報
木場昌也
二級建築士/ 1級施工管理技士
【現場管理】注文住宅・店舗 110棟
【販売】注文住宅 79棟
入社歴23年。8年現場監督経験を経て営業職に。
震災後は県内の品質管理、着工数の平準化を図るため工事管理職に従事。また注文住宅の安定供給、品質賞の受賞に携わる。
その後、ZEH普及、高気密・高断熱商品の開発、販売、店長職を兼任。