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フリーランスでも住宅ローンは組める!個人事業主の審査ポイントを解説

フリーランスでも住宅ローンは組める!個人事業主の審査ポイントを解説

フリーランスや個人事業主といえば、住宅ローンを組みにくいイメージがあり、住宅購入に前向きになれないという人もいるのではないでしょうか。

 

借入可能額や収入の安定性について、金融機関からどういう見方をされるのか、ということが気になるでしょう。

 

しかし、結論からいうと、フリーランスでも住宅ローンを組むことは十分に可能です。
フリーランスの審査では、会社員と比べると確かめるべきポイントは増えますが、明確な返済能力があるのか、というところが主にチェックされます。

 

また、重要になってくるのは、「収入に対しての借入可能な金額」と「社会的信用があるかどうか」なので、それを証明することができれば良いのです。

 

この記事では、フリーランスや個人事業主が住宅ローンを組む際に、押さえておくべき審査のポイントを解説します。

フリーランスでも住宅ローンは組める

結論、フリーランスの人でも住宅ローンは組めます。

 

借入可能額や必要書類などを事前にしっかりと把握しておきましょう。

・フリーランスの年収別住宅ローン借入可能額

・フリーランスが住宅ローンを組むには『確定申告書』『納税証明証』が必要

 

ここでは、上記2点について詳しく解説していきます。

フリーランスの年収別住宅ローン借入可能額

 

フリーランスでも住宅ローンを組むことは可能です。もちろん、その借入可能額はその方の収入に比例します。

 

まずは、年収に対して、どれぐらいの金額を借入れできるのかを確認してみましょう。

 

 

年収

借入可能額(月々返済額)

300万

2340万円(7.5万円)

400万

3630万円(11.7万円)

500万

4540万円(14.6万円)

600万

5450万円(17.5万円)

700万

6390万円(20.4万円)

800万

7260万円(23.3万円)

900万

8170万円(26.2万円)

1000万

9070万円(29.2万円)

 

※借入可能額は、返済比率30%?35%、借入期間35年、金利1.81%で計算しています。

※概算の金額を記載しています。

 

借入可能額の計算方法としては、年収に対しての返済比率を求め、その範囲におさまる金額が上限とされています。

個別の審査とはなりますが、基本的な考え方は、一般的な会社員と大きく差はありません。

 

フリーランスが住宅ローンを組むには『確定申告書』『納税証明証』が必要

フリーランスの人が住宅ローンを組むためには、『確定申告書』や『納税証明証』の2種類が必要です。

 

上記の借入可能額は、会社員と大きく変わりはありませんが、求められる書類は異なってきます。
その書類が『確定申告書』『納税証明証』であり、3期分をみる金融機関がほとんどです。

 

会社員であれば、源泉徴収票1年分で審査可能なところが多いです。
一方で、フリーランスの場合に3期分を確認する理由は、会社員と違い年によって年収が大きく変わっている可能性があるからです。

 

確定申告書で、所得の金額・その安定性や申告が滞りなく行われているかが確認されます。

事前に気をつけておくべき点としては、審査において金融機関が確認する年収とは、確定申告書に記載のある『所得』の部分です。

 

フリーランスは、自分の資金から事業に必要な経費を捻出するので、かかった経費を、収入から差し引いた額がその方の所得となります。
人によっては、節税などのために経費計上を多めにして、所得を少なく申告している場合が見受けられます。そうなると、借入可能額にも影響が出てきますので注意して下さい。

 

また納税証明証をチェックすることで、納税をきちんと行っているかの確認も行われています。税金の未納がある場合は、納税証明証で確認され、審査に影響を与えます。

 

面倒だからといって確定申告をしていなかったり、税金等の支払いを滞らせたりする場合は、住宅ローンが組みにくくなる原因となります。

 

上記の点をチェックするために、住宅ローン審査の際には『確定申告書』『納税証明証』が必要となります。

 

フリーランスの社会的信用を確かめるポイント

社会的信用とは、何を見ているのか”ということをお話しすると、下記のようなポイントとなってきます。

 

・独立してからの年数

・クレジットカードや公共料金の滞納はないか

・連帯保証人の有無

・自己資金額

・購入する物件は自宅用or事業目的

・今後も事業を継続できるか

 

それぞれ詳細を解説します。

 

独立してからの年数

独立してから3年程度だと、住宅ローンに通ることは難しいです。

基本的に、フリーランスは事業期間が3期以上あることが、審査の前提条件となってくるからです。

また、個人事業主から法人化した場合も、法人格になってから3期経過していることが原則です。

 

ただし、金融機関によっては3期経過していなくても審査可能という場合もあります。
特に、医者や弁護士などの難易度が高く社会的地位が確立されている国家資格者は、1年でも利益が出ていれば申込可能という場合もあります。

 

クレジットカードや公共料金の滞納はないか

 

住宅ローンの審査には、クレジットカードなどの返済状況や、公共料金の支払いを滞っていないかなどもチェックされます。

 

金融機関がローンの審査をする際、個人信用情報を確認することになっています。

そのため、現在滞納がある場合はもちろん、過去にクレジットカードの滞納履歴がある場合には、審査が厳しくなることがあります。

 

公共料金をクレジットカードで支払っている方も多いので、少しの滞納を軽く捉えることのないようにしましょう。

 

また、クレジットカードだけではなく、事業用のローンや、車のローンも同様です。

住宅ローンの審査では、ほかの借金と同等に借り入れがあるものとして扱われます。
資金繰りがうまくいっていても、他の借入額に応じて住宅ローンの借入可能額が減額されたり、審査に通らなくなる可能性もあります。

 

フリーランスで住宅ローンを検討する可能性がある場合は、日頃からの支払いや、他の借入、返済計画に十分配慮しておくことが重要です。

 

連帯保証人の有無

連帯保証人とは、本人がローンを返済できなくなった場合に、本人の代わりに返済を行う人のことを指します。

 

住宅ローンは、保証会社と保証契約を結ぶことがほとんどであるため、通常の場合連帯保証人は不要です。

 

しかし、フリーランスの場合は、金融機関によっては連帯保証人を求められることもあり、特に年収に対して借入額が大きい場合などはその確率が高くなります。

 

連帯保証人は、配偶者や親子などの身内に依頼するのが一般的です。

住宅ローンを考えているなら、早めに話をしておくようにすることをおすすめします。

 

 

自己資金額

 

自己資金を多く入れると、より住宅ローンの審査が通りやすくなります。

なぜなら、自己資金が多くなるほど借入額も少なくなり、返済比率も低くなるからです。

いざという時のために、手元に現金を残しておきたい、という考えもあるかもしれませんが、ある程度は計画に入れておいた方が借入をスムーズにできます。

 

住宅ローンを組める自信がないという人であれば、自己資金にする予定のお金を貯金しておくと良いでしょう。

 

購入する物件は自宅用or事業目的

フリーランスの方の中でも、自宅の一部を事務所や店舗などの仕事場として使っている方も多いです。

 

しかし、住宅ローンはあくまで人の居住用の住居を目的として購入するためのもので、原則、事業用としての家の購入のための借入れとしては利用することができません。

 

とはいえ、最近ではフラット35など、店舗や事務所兼住居に対する融資もOKとする金融機関も増えています。

ただし融資が可能になるのは、建物や部屋の半分以上を住居として使用している場合です。

また、住宅ローン減税を受けるにも、「床面積の1/2以上が自己の居住用であること」が条件になります。

 

一室を仕事部屋にする程度なら問題ありませんが、店舗をつくる場合などは、この要件を満たすよう調整しましょう。

 

 

今後も事業を継続できるか

審査の際には、確定申告書の他に『決算報告書』を求められることがあります。

 

確定申告書では、主に借入者の年収や申告義務を果たしていることを確認することが目的ですが、この決算報告書では、事業としての”継続性・安定性”を確認します。

 

直近3期の中で赤字がある場合は、審査上不利になる可能性はありますが、必ずしもそのために審査が通らないというわけでもありません。

時にはその理由をヒアリングされることもあり、一時的な支出の理由など、今後の継続性に

 

大きな問題がないことを説明できれば良いこともあります。

こうして金融機関としては、あらゆる角度から今後の返済の収入源が安定しているかを確認し、審査を進める材料としているのです。

 

フリーランスが住宅ローンを組むなら「フラット35」の活用がおすすめ

フリーランスとして仕事をしていて、その収入で住宅ローンを組むには、大きな壁があるのではと感じるかもしれません。

しかし、住宅ローン審査の基準は金融機関によって異なるので、審査に通りやすい住宅ローンを選ぶのというのも大切なポイントです。

 

フリーランスでも審査の通りやすい住宅ローンとして挙げられるのは、住宅金融支援機構の『フラット35』。フリーランスにとって強い味方といえる住宅ローンです。

 

フラット35ではフリーランスであっても、確定申告書は基本的に直近の1期分を提出するだけで審査を受けられ、決算書の提出も不要となっています。

 

つまり、開業して3期経過していなくても住宅ローンを組むことができ、また事業が赤字の年があっても融資を受けられる可能性があるということです。

 

加えて、プラス面として審査金利も低めであることや、事業用の借り入れが返済比率の計算から除かれるのも特徴です。
事業のために他にローンを組んでいたとしても、返済比率が高いからといって審査を通らない、ということがありません。

 

ただし、フラット35で融資を受けるためには、耐震性などの住宅金融支援機構が定める技術基準に適合した住宅であることが条件になります。

そのため、築年数の古い中古物件の購入の際には利用できないことも多々ありますので、その点は注意が必要です。

 

フリーランスであることが原因で住宅ローンを組めないということはなく、中でもフラット35は、フリーランスでも審査が通りやすい住宅ローンです。

 

3期連続黒字が難しそうな場合などの不安要素があっても、基本的には前年の年収と借り入れのバランスが良ければ借り入れできるので、前向きに検討してみてください。

 

 

事業・自宅兼用の住宅に住宅ローン控除は使える?

前述のように、事業・自宅兼用の住宅として、住宅ローンを利用したいという方もいるでしょう。

そこで気になってくるのが、住宅ローン控除は利用できるのかという点です。

結論からいうと、要件を満たせば事業・自宅兼用の住宅としての住宅ローンでも、住宅ローン控除を利用することは可能です。

 

ただし、建物の床面積の半分以上を自宅用部分で占める必要があり、事業用の部分が半分以上の場合には、住宅ローン控除の対象にはなりません。

 

住宅の自宅部分の占有比率と、ローン控除の関係を以下の表にまとめました。

 

占有比率

住宅ローン控除

90%以上

全額住宅ローン控除適用可能

50%以上

自宅用部分に応じた割合で適用可能

50%未満

住宅ローン控除適用不可

 

では、自宅部分の占有比率からみた、住宅ローン控除の利用の可否について詳しく説明します。

 

・自宅部分の占有比率が90%以上の場合

・自宅部分の占有比率が50%以上の場合

・自宅部分の占有比率が50%未満の場合

 

上記3点をそれぞれ解説します。

 

自宅部分の占有比率が90%以上の場合

自宅部分の占有比率が90%以上あり、事業用部分が10%未満の場合には、全額について住宅ローン控除を適用することができます。

 

また、10%未満の事業用部分については、事業用の使用割合に応じて、経費計上することも可能です。

 

つまり、10%未満に対する部分はダブルで節税でき、節税効果を高くすることができます。

 

自宅部分の占有比率が50%以上の場合

自宅部分が50%以上あり、事業用部分が50%未満の場合は、その自宅の比率に対して、住宅ローンが適用となります。

なお、事業用部分については、その使用の割合に応じて経費計上することもできます。

 

自宅部分の占有比率が50%未満の場合

自宅部分が50%未満で、事業用部分が50%以上である場合には、住宅ローンの適用の対象とはなりません。

ただし経費については、事業割合に応じて計上することができます。

 

以上が、事業・自宅兼用の住宅購入の場合、住宅ローン控除を受けられる可否についての説明でした。

 

注意点としては、フリーランスの節税においては、事業の割合を高くし、より多くの経費を計上した方が良いという考え方もあります。

 

しかし、住宅ローン控除は、税金そのものを減らせる税額控除なので、節税効果が大きい制度です。
また、住宅ローン控除が適用されない事業用の占有部分については、使用割合に応じて経費とすることも可能です。

そのため、一般的には住宅ローン控除の恩恵を受けた方がお得な場合が多くあります。

 

とはいえ、所得から算出される税率等によってどちらがより節税効果が高いかは変わってきます。

住宅ローン控除を受けることと、経費として計上することのどちらが得なのか、事前に計算した上で節税対策を施し、結果的に損をすることのないよう注意しましょう。

 

まとめ

フリーランスで住宅ローンを組む場合には、審査を進めるのが難しいのではと思う方も多いでしょう。

 

確かに、一般的な会社員と比べると、必要とされる書類や審査のポイントが細かく見られる場合もあります。
しかし、ポイントをおさえて事前に準備しておくことで、審査を問題なくスムーズに進めることができます。

 

また住宅ローン控除などの節税関係についても、しっかりと調べてご自身の状況に合わせて検討することで、十分な節税効果を受けることも可能です。

 

自宅購入を不安なく進められるよう、事前の準備をし、必要に応じてプロに相談することがおすすめです。

お困りごとがありましたら、ぜひアイムの家へお気軽にご相談ください。

 

※金利や制度は2021年11月時点のものです

コラム監修者情報

木場昌也

二級建築士/ 1級施工管理技士
【現場管理】注文住宅・店舗 110棟
【販売】注文住宅 79棟

入社歴23年。8年現場監督経験を経て営業職に。
震災後は県内の品質管理、着工数の平準化を図るため工事管理職に従事。また注文住宅の安定供給、品質賞の受賞に携わる。
その後、ZEH普及、高気密・高断熱商品の開発、販売、店長職を兼任。

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