石巻市でお得な土地はどこ?石巻市の土地相場や土地情報をご紹介
仙台市に次いで宮城県で2番目に人口の多い石巻市は、漁業・農業・工業・商業の調和のとれた街です。
石巻市で土地を探している方であれば、相場がどれくらいなのか気になることでしょう。石巻市の土地相場や、人気エリアの地価などを紹介します。
石巻市の地域情報
仙台市から北東に50kmのところに位置する石巻市は、人口約14万人。金華山沖の豊かな漁場に恵まれ、水産業や造船業で栄えた港町として有名な街です。戦後は石巻工業港の開港により工業都市として発展し、さらに人口の増加に伴い商業の街としても栄えました。都市機能がコンパクトにまとまり、適度に便利で過ごしやすい環境が、石巻市の魅力でしょう。
市街地は旧北上川の河口付近に広がっていますが、東日本大震災以降はやや内陸の高台に移転する人が多くみられます。とりわけ、三陸自動車道の石巻河南IC近くには、大型商業施設やホームセンターなどが進出し、利便性の点でも人気があるエリアです。
旧北上川をのぼっていくと、右岸の平野では稲作を中心とした農地が広がり、また左岸の山地では畜産業も盛んで、のどかな雰囲気も楽しめます。街と自然が適度に調和し、子育てにも適した環境が広がっている点も、石巻市が住みやすいといわれる理由でしょう。
石巻市の土地平均購入価格
石巻市の土地相場について、不動産取引実績をもとに見ていきましょう。
国土交通省が公表する不動産取引データによると、石巻市全体の土地価格の相場は、坪単価11.4万円、1m2あたりで約3.4万円です。仙台市全域の坪単価が約75万円ですから、土地の相場はかなり割安であることがわかります。
ただし、この価格は山地や農地などの安価な土地取引も含まれており、住宅地の土地相場についてはエリアごとに細かく調べる必要があります。
大手不動産ポータルサイトに掲載されている土地売買の情報によると、石巻河南IC近くの虻田、恵み野、向陽町エリアでは、坪単価が20万円前後、1,200万円から1,600万円台の土地が多く見られます。
また、国道398号線沿いの大街道エリアだと坪単価が10万円前後、1,000万円台くらいでも土地が購入できそうです(2020年7月時点)。
住宅地だけを見ても、仙台市で比較的に安価な泉区や太白区と比べて、3割から7割も安くなっています。石巻市で注文住宅を建てるなら、建物に予算をかけてこだわれる部分も多くなるでしょう。
石巻市の地価ランキング
より詳細なエリアごとの土地相場について、国土交通省の「公示地価」から見ていきましょう。
石巻市のエリア別の地価ランキングは、以下の通りです。
順位 | エリア | 地価 |
1位 | 恵み野4丁目 | 6万3,800円/m2(坪単価:21万909円) |
2位 | あけぼの3丁目 | 6万3,700円/m2(坪単価:21万578円) |
3位 | 向陽町3丁目 | 5万7,500円/m2(坪単価:19万082円) |
4位 | 南中里3丁目 | 5万6,500円/m2(坪単価:18万6,776円) |
5位 | 駅前北通り3丁目 | 5万5,000円/m2(坪単価:18万1,818円) |
6位 | 中里5丁目 | 5万4,000円/m2(坪単価:17万8,512円) |
7位 | 蛇田字新谷地前 | 4万7,200円/m2(坪単価:15万6,033円) |
8位 | 錦町 | 4万4,300円/m2(坪単価:14万6,446円) |
9位 | 蛇田字新西境谷地 | 4万4,100円/m2(坪単価:14万5,785円) |
10位 | 門脇字青葉東 | 4万2,800円/m2(坪単価:14万1,487円) |
上記のデータは住宅地のみを選出したもので、商業地などは除いています。
一般的に、公示地価は駅に近いエリアほど高くなる傾向にありますが、石巻市の場合、上位3地点は高速道路のインターチェンジ(石巻河南IC)近くの土地です。石巻駅近くの土地は、4位から6位にランクインしており、人気住宅街が移りつつあるようです。
なお、あけぼの、向陽町などのエリアは高台になっており、東日本大震災の津波で浸水しなかったという点も、地価の高さにつながっていると推測されます。
石巻市の土地評価額の動向
2011年の東日本大震災で大きな被害に見舞われた石巻市ですが、その後の復興特需で公示地価は上昇傾向にありました。しかし、特需が落ち着いた2018年ごろからは下降に転じ、土地評価額は下がり始めています。
加えて、人口の減少も影響を与えています。平成の大合併が行われた2005年には人口16万人以上を誇っていた石巻市ですが、2020年現在では14万人を割り込んでいます。こうした人口減少も、土地評価額の下落の一因になります。
ただし、上記の地価ランキングで紹介した石巻河南IC近くの住宅地に関しては、上昇または横ばいの状態にあるようです。このエリアでは、実際の不動産取引価格も大きな変動は見られませんが、土地の条件や売主の都合などによっては相場より高くなることもありますので、慎重に見定めながら土地探しを進めましょう。
まとめ
土地の価格は、立地条件や周辺環境、土地の形状など、さまざまな要因によって決まります。これらに加え近年は、「災害リスクが少ない」という要因も重視される傾向にあるようです。
石巻市は車社会ですから、駅前よりも大きな道路や高速道路のIC近くの方が土地の評価額は高い傾向にあります。さらに、津波による浸水リスクの低い土地も人気が集まり、上昇傾向に拍車をかけています。
津波に限らず、近年は大雨や台風などによる土砂災害や洪水のリスクも高まっています。市が公表するハザードマップも参考に、できるだけ安心して暮らせる土地を探しましょう。
コラム監修者情報
木場昌也
二級建築士/ 1級施工管理技士
【現場管理】注文住宅・店舗 110棟
【販売】注文住宅 79棟
入社歴23年。8年現場監督経験を経て営業職に。
震災後は県内の品質管理、着工数の平準化を図るため工事管理職に従事。また注文住宅の安定供給、品質賞の受賞に携わる。
その後、ZEH普及、高気密・高断熱商品の開発、販売、店長職を兼任。