角地は何がいい?角地のメリット・デメリット
注文住宅用の土地を選ぶ際に、「角地」を喜ぶ人は多いです。
ただ、どうして角地が良いとされているのかを理解している人は、決して多いとはいえません。
注文住宅の利便性は、土地選びで決まります。
「何となく良いと思った」という理由で土地を決めると、後悔する可能性が高いので、マイホームの満足度を高めるためにも角地の良い点と悪い点を知っておく必要があるでしょう。
今回は、注文住宅建築における角地のメリットとデメリットをご紹介します。
角地のメリット
2方向から光が差し込むため日当たりが良い
角地は、立地の関係上2方向から光が差し込むので、日当たりが良好です。
隣が空き地でもない限り、一般的な住宅用地だと光の方向が制限されてしまうため、採光で悩む心配がないのは大きなメリットになります。
とくに、南側が開けている角地だと、明るく快適なリビングや居室を簡単に作れます。
建ぺい率に10%のボーナスが付くため広い家を建てられる
厳密にいうと自治体によって違いはありますが、角地は「建ぺい率」に10%のボーナスが付くのでお得です。
簡単にいえば、角地は角地でない土地よりも、10%面積の広い家を建てることができます。
また、建ぺい率に関しては、地下を作ったりビルトインガレージを作ったりすることで、増やすことも可能です。組み合わせを考えて、建ぺい率の制限を越えた広い家を建てても良いでしょう。
人気が高いので将来的に売却しやすい
角地は、見栄えも日当たりも良く、建ぺい率の緩和といった優遇も付くため、注文住宅用の土地として魅力的です。
そのため、角地はいつ売り出してもある程度、高い金額で売却できます。
将来的な相続や、老後の住み替え等を考えると、高額売却しやすい人気の立地を選んだ方がトータルで満足できるでしょう。
設計の自由度が高い
2本の道路に面しており、複数の方向から光が差し込む角地は、一般的な土地よりも設計上の制限が少ないです。
日当たりの良い方向にリビングを置いたり、車の乗り入れがしやすい場所に駐車場を作ったりすれば、より快適な暮らしを送れます。
自由度の高さを活かすという意味では、自由設計である注文住宅との相性も抜群です。
視線が通るため防犯面も安心
角地の住宅は、道路や道路の向かい側から視線が良く通るため、防犯対策が充実しているというメリットもあります。
一戸建ては、マンションよりも窓などの開口部が多いので、空き巣などに狙われやすいのです。
家を空ける時間が長い場合は、角地の方が安心して過ごせるでしょう。
角地のデメリット
日当たりが良すぎて部屋がまぶしい・暑い
日当たりの良さは角地の強い魅力ですが、どんなメリットも度が過ぎるとデメリットに変わってしまいます。
角地の場合、まぶしさで日中カーテンを閉めっぱなしにしたり、暑くて窓を開け放てなくなったりすることもあるので、部屋や窓の向きは慎重に検討しましょう。
交通事故のリスクが高い
角地は、基本的に見通しの悪い交差点にできる空間なので、アクセルを踏み間違えた車が塀に突っ込んできたり、家を出た途端に車と接触事故を起こしたりするリスクが高まります。
とくに、近隣住民の「裏道」として使われている道路や、幅の狭い道路は事故の危険性があるので、角地を購入するときは周辺環境にも注意を払う必要があります。
騒音や視線の対策が必要
2本の道路に面する角地は、車の走行音や通行人の会話などが入ってきやすいため、騒音対策が必要です。
また、通行人からのぞかれることもあるので、お金をかけて塀やフェンス等の目隠しを設置しましょう。
頑丈な塀やフェンスは、交通事故による被害を抑えるという意味でも効果的なので、お金をかけても損はありません。
人気がある分、土地の価格も高い
角地は、不動産市場でも人気の高い土地の一つです。
需要が高くて資産価値が落ちづらく、建ぺい率も緩和される角地は市場価格より高価なので、土地代を安く抑えたい場合にはあまりおすすめできません。
また、不動産を持っていると毎年請求される「固定資産税」は、資産価値に応じて課税額が決まります。
資産価値の高い角地は維持費も多少高くなってしまうので、税金の扱いを覚えてできるだけ節税することも心がけましょう。
とはいえ、立地の問題は、後からお金を出しても解決できません。
土地選びで妥協すると、内装や設備にこだわった注文住宅を建てても生活の質が下がってしまいます。
角地を気に入ったら、建築費を工夫して予算を調整しましょう。
まとめ
資産価値が高く、見栄えも良い角地は、明るく開放感のある住まいを建てる場所として最適です。
人気があるため金額は高めですし、塀等を設置して交通事故に備える必要はありますが、設計の自由な注文住宅なら、土地の強みも最大限に引き出せりでしょう。
一戸建ての住みやすさは、立地と建物のバランス次第です。土地選びで妥協すると後悔するケースが多いので、信頼できる不動産会社に相談して、予算内で理想のマイホームを建てましょう。
コラム監修者情報
木場昌也
二級建築士/ 1級施工管理技士
【現場管理】注文住宅・店舗 110棟
【販売】注文住宅 79棟
入社歴23年。8年現場監督経験を経て営業職に。
震災後は県内の品質管理、着工数の平準化を図るため工事管理職に従事。また注文住宅の安定供給、品質賞の受賞に携わる。
その後、ZEH普及、高気密・高断熱商品の開発、販売、店長職を兼任。