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【住宅ローンの基本】住宅ローンはどうやって借りる?借り方・融資までの流れとは?

【住宅ローンの基本】住宅ローンはどうやって借りる?借り方・融資までの流れとは?

マイホームを購入する際に、金融機関の住宅ローンを利用される方も多いのではないでしょうか。

初めて利用される方には、「どうやって借りれば良いのか?」「本当に融資が受けられるのか?」など、疑問や不安もあることでしょう。

ここでは住宅ローンの借り方について、融資実行までのおおまかな流れとともに説明いたします。

住宅ローンの審査の大まかな流れ

まずは、購入したい物件を決めるところから住宅ローンの融資実行までの流れを、簡単に説明しましょう。

  1. 購入希望の物件を決める
  2. 住宅ローン利用の申し込み
  3. 事前審査(約1週間)
  4. 不動産売買契約
  5. 本審査(約1~2週間)
  6. 住宅ローンの契約
  7. 融資実行

住宅ローンは、誰もが簡単に借りられるものではありません。金融機関からすれば、数千万円という大金を融資するわけですから、信用できる人かどうかを見極めるために厳格な審査(事前審査と本審査)を行い、それをクリアした方のみに利用資格が与えられるのです。

事前審査と本審査は何が違うのか?

住宅ローンの審査は、「事前審査(仮審査)」と「本審査」の2段階になっています。

2段階になっているのは、審査をする機関と内容が異なるためです。

事前審査は、主に金融機関が「契約者のローン返済能力を確認する」ための審査です。

一方の本審査は、金融機関と信用保証会社が「団体信用生命保険に加入できるか」「万一返済できなくなったとき担保物件で返済可能か」などを確認するための審査です。

このため、それぞれの審査に必要な提出書類は異なりますし、「事前審査は通っても本審査で通らない」というケースもあります。

具体的な審査内容については、後ほど説明いたしましょう。

大まかな借入可能額がいくらになるかを知ろう

住宅ローンで気になる項目の一つに、いくらまでなら借りられるのかという「借入可能額(借入限度額)」があるでしょう。

金融機関の審査で借入可能額を決める要素には、契約者の「現在の収入(年収)」「返済期間」のほかに、「他のローンの借入額」「返済負担率(返済比率)」「審査金利」と大きく5つの要素があります。

返済負担率は、年収に対してローン返済額がどれくらいの割合までなら貸し出せるかという比率のこと。

たとえば、年収500万円の方で、返済負担率が30%の金融機関から住宅ローンを借りる場合、年間のローン返済額は150万円が限度となります。

返済負担率は金融機関によって異なりますが、30%前後に定めているところが多いようです。

審査金利とは、借入期間中にかかる利子をあらかじめ想定して金融機関が決めた利率のことです。現在の金利よりも高めに設定している金融機関が多く、おおよそ3~4%が相場となっています。

借入可能額の計算方法とシミュレーション

具体的に借入可能額を求める際には、次の2つの数字を用います。

(A)月間の借入可能額

(B)審査金利を用いた100万円あたりの返済額

そして、借入可能額の計算方法は以下の通りです。

【借入可能額】=(A)÷(B)×100万円

具体的な例として、以下の条件で説明しましょう。

  • 年収:500万円
  • 返済負担率:30%
  • 他のローンの借入額:30万円(年間の返済額)
  • 審査金利:4%
  • 返済期間:35年
  • まず、「(A)月間の借入可能額」は、年収に返済負担率をかけ、そこからほかのローンの借入額を差し引いた額を12ヵ月で割って求めます。上記の条件だと以下の通りです。

    (500万円×0.3-30万円)÷12カ月=10万円(A)

    次に、「(B)審査金利を用いた100万円あたりの返済額」とは、100万円を返済期間で借りたときの月額返済額を指します。この場合、審査金利が4%、返済期間が35年ですから、返済額は月額4,428円(B)になります。

    これらの数字を、借入可能額を求める数式に当てはめると、以下の通りになります。

    10万円÷4,428円×100万円=約2,258万円(借入可能額)

    借入可能額は、「フラット35」や金融機関等のホームページで、簡単にシミュレーションできるページが公開されています。

    これらのサイトでは簡易的な方法ですが、大まかな借入可能額が求められますので、事前に試算されたい方は利用してみてはいかがでしょうか。

    住宅ローンの事前審査(仮審査)

    事前審査とは?

    事前審査とは、金融機関が「契約者のローン返済能力を確認する」ための審査です。

    申し込みのタイミングは、不動産会社や施工会社との契約をする前。購入希望の物件価格(注文住宅であれば工事費用)の見積もりが判明したら、事前審査を申し込みましょう。

    事前審査の審査期間は?

    多くの金融機関では、数日から1週間程度で審査結果が判明します。

    金融機関によっては、申し込んだ翌日に判明するところもありますし、借入可能額が微妙なラインなどの場合には、長くなることもあります。

    事前審査ではどんな内容を見られるのか?

    事前審査では、借入希望金額と借入可能額(収入や返済期間、ほかのローンの借入状況など)を見比べて、無理のない返済ができるかを金融機関が判断します。

    借入可能額は、収入を証明する書類(源泉徴収票や確定申告書など)をもとに、先述した計算方法で求め、判断されます。

    事前審査で準備しておく必要書類

    事前審査に必要な書類は、金融機関によっても異なります。

    主なところでは、以下の書類が求められますので、申し込む前に揃えておきましょう。

  • 金融機関所定の申込書
  • 源泉徴収票(または確定申告書)
  • 課税証明書または住民税決定通知書(給与所得者のみ)
  • 健康保険証
  • 本人確認ができるもの(運転免許証、パスポートなど)
  • 事前審査で注意すべきポイント

    金融機関所定の申込書には、年収や他のローンの借入状況など、記載項目がたくさんあります。これらの項目に、「虚偽の記載をしない」ようにしましょう。

    年収については、源泉徴収票や確定申告書などの書類で明らかですからウソの記載をしても、すぐにわかります。

    また、ほかのローンの借入状況についても、各種ローン会社に借入額や滞納履歴などの確認も行います。心象を悪くしないためにも、正直に記載しましょう。

    なお、自動車ローンやカードローンなどの返済で滞納が多いと、たとえ収入などの条件が満たしても「信用が低い」とみなされ、審査に落ちる可能性があります。

    住宅の売買契約をする

    事前審査に通過したら、不動産会社と売買契約(注文住宅の場合は、施工会社との工事請負契約)を締結します。締結時には手付金が必要です。

    この段階では住宅ローンの本審査に通過していないため、返済の目途が立ったと安心はできません。もし本審査に落ちて契約をキャンセルにしても、手付金は戻ってこないのが通例です。

    ただし、契約書に「住宅ローン特約」という条項がある場合には、手付金が戻ってきます。その条項があるか確認したうえで契約を結ぶと安心でしょう。

    住宅ローンの本審査

    本審査とは?

    住宅ローンの本審査とは、金融機関と信用保証会社が、契約者の健康状態や担保物件について確認するための審査です。

    多くの金融機関では、住宅ローンを利用する際に団体信用生命保険への加入を求められます。契約者に万が一のことがあってローンの返済ができなくなっても、団体信用生命保険が代わりに一括返済してくれます。

    また、自己破産などで返済できなくなったなどの際に、物件を売却して返済できるかといった担保物件の評価も行われます。

    本審査の審査期間は?

    審査期間は、1~2週間程度の金融機関が多く、長くても3週間ほどで完了します。

    事前審査よりもチェック項目が多く、また金融機関だけでなく信用保証会社とのやり取りも生じますので、審査期間はやや長めになります。決済に間に合うよう、できるだけ早めに申し込みましょう。

    本審査ではどんな内容を見られるのか?(基準・審査項目)は?

    本審査では、事前審査と同じく、収入や他のローンの借入額などから改めて返済能力を確認するとともに、団体信用生命保険に加入できる健康状態かという点も確認されます。

    また、返済できなくなった場合に備えて担保状況の確認も行います。

    担保となるのは購入する物件ですから、物件の所在地や建物構造などがわかる書類も必要です。

    本審査で準備しておく必要書類

    提出書類は、事前審査と重なるものもあります。

    また、金融機関によっても求められる書類が若干異なります。

    事前に確認のうえ、申し込む前に揃えておきましょう。

  • 源泉徴収票(または確定申告書)
  • 課税証明書または住民税決定通知書(給与所得者のみ)
  • 健康保険証
  • 本人確認ができるもの(運転免許証、パスポートなど)
  • 住民票(家族全員が記載されたもの)
  • 印鑑証明書
  • 通帳(預金口座)のコピー
  • 不動産売買契約書、重要事項説明書
  • 実印
  • 本審査に通ったら住宅ローン契約を締結する

    本審査に通過したら、融資の申込契約となる「金銭消費貸借契約」を金融機関と締結します。

    また、契約時には、併せて団体信用生命保険と火災保険の契約も行います。

    金融機関の住宅ローン商品では、団体信用生命保険への加入が必須というところがほとんどですが、住宅金融支援機構が提供するフラット35では任意加入となっています。

    ただ、万一に備えて加入しておいた方が安心でしょう。

    火災保険も、ローン利用の前提条件としている金融機関が多いですから、ここで加入します。

    住宅ローン契約後にキャンセルはできるのか

    住宅ローンの審査条件は、金融機関によっても多少異なります。

    ある銀行では審査に落ちたものの、別の銀行では審査に通ったということも、よくある話です。

    そのため、複数の金融機関に住宅ローンの利用を申し込む方も多く、いずれも本審査に通過した場合には、どちらかをキャンセルにする必要があります。

    金銭消費貸借契約の前であればキャンセルは容易ですが、締結後のキャンセルは解約手数料が生じますので、注意が必要です。

    利用しない住宅ローンは、契約前にキャンセルを申し入れましょう。

    住宅ローンの融資実行

    住宅メーカーまたは不動産会社に、手付金を除いた残額の決済を行う日が、住宅ローンの融資実行日になります。ここで重要なのは、「融資金が振り込まれているかを確認する」ことです。

    融資実行当日は、住宅メーカーや不動産会社の担当者(売主)と金融機関の担当者、司法書士などが金融機関に集まり、融資実行の旨を確認します。司法書士は、登記に関する書類を作成しますので、内容に相違がないかを確認しましょう。

    問題がなければ融資実行を依頼します。その直後に、融資金が指定口座に振り込まれますので、振込完了を確認したら清算して取引完了です。

    なお、登記書類は、司法書士が法務局に届出を行い、後日、登記完了の書類を郵送してもらえます。

    「住宅ローン控除」や「すまい給付金」の申請も忘れずに

    融資が実行され月々の返済が始まった後も、忘れてはいけない申請があります。その一つが、確定申告です。

    住宅ローン利用者は、所得税を控除できる「住宅ローン控除」も利用できるようになりますが、住宅ローン控除を利用するには、確定申告が必要です。

    給与所得の方にはなじみが薄いかもしれませんが、節税の恩恵が受けられますので税務署で確定申告を行いましょう。なお、確定申告をする際には、年末になると金融機関から送られてくる「年末残高証明書」が必要です。

    もう一つ、申請しておきたいのが「すまい給付金」です。令和元年10月の消費税アップに伴い、国は住宅購入者の負担軽減を目的に、最高50万円の給付金を支給しています。

    給付額は、世帯年収と家族構成によって異なります。

    例えば、世帯年収が450万円の4人家族(中学生以下の子どもが2人)の場合、給付金は最高額の50万円になります。

    意外と大きな額ですから、必ず申請をしましょう。

    なお、「すまい給付金」には期限があり、令和3年(2021年)12月までに売買契約された方が対象となります。

    まとめ

    住宅ローンを利用するうえで、もっとも大切なのが「無理なく返済できる資金計画を立てる」ことです。

    資金計画に無理があって住宅ローンの返済が滞るようなことになれば、せっかく手に入れたマイホームを手放すことになるかもしれません。資産計画が不安な方は、専門家に相談してみましょう。

    アイムの家では事前審査の申込前に、将来のライフプランを想定したうえで資金計画を立案し、無理のない返済プランをご提示いたします。

    その他、住宅ローンの借り方や申請方法など不明点があれば、なんでもご相談ください。ゆとりある生活を実現できるよう、サポートさせていただきます。

    コラム監修者情報

    木場昌也

    二級建築士/ 1級施工管理技士
    【現場管理】注文住宅・店舗 110棟
    【販売】注文住宅 79棟

    入社歴23年。8年現場監督経験を経て営業職に。
    震災後は県内の品質管理、着工数の平準化を図るため工事管理職に従事。また注文住宅の安定供給、品質賞の受賞に携わる。
    その後、ZEH普及、高気密・高断熱商品の開発、販売、店長職を兼任。

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